祝福のカンパネラSS 「カボチャ祭り」


「カリーナさま、カボチャって好きですか?」
 クランOasisに入ってきて開口一番、自称世界一の人形師のアニエス・ブーランジュが、エルタリア公女でクランOasisのマスター、カリーナ・ベルリッティに問うた。
「そうですねぇ……ほくほくして、ほのかに甘みのある煮付けなどは好きですけど…でも、唐突にどうしたんですの?アニーちゃん」
「実はですね…とある筋から、カボチャを食べると胸が大きくなるって聞きまして」
「えーっ! それ、ホントなんですか?アニエス!?」
 ちょうどそこで部屋に入ってきたミネットがアニエスににじり寄る。
「い、いや、だからそれを検証するためにみんなに聞いて回ってるんだけど……なに、ミネットはおっぱい大きくなりたいの?」
「それはもちろんですよ。おっぱいには女の子の夢と希望がいっぱい詰まってるですから。アニエスはおっきくなりたくないですか?」
「私のはね、科学的に最高のおっぱいなんだよ」
「カガク…?」
「そ。角度とかね」
「? 意味がよく分からないのです」
「みなさん、何のお話をなされているのですか?」
 そこへ神殿騎士のチェルシー・アーコットが入ってきた。
「あっ、チェルさんおはよー。ねえ、チェルさんはカボチャって好きかなあ?」
「はい、好きですよ。一見皮が固くて食用には不向きのようですが煮込む事で全ての部分を食べられる、両手でも片手でも扱える万能のバスタードソードのような素晴らしい食材です」
「相変わらず、チェルシーの例え話はちょっと不思議なのです」
「すみません、分かりにくかったですか?」
「ともかく、チェルさんも好き…と。やっぱりカボチャ好きには巨乳の人が多いみたいだね」
「そうなんですか?アニーちゃん?」
「ニナさんにカリーナさまにチェルさん。みんなカボチャ好きだっていうし」
「そうなんですか、じゃあ私もカボチャをいっぱい食べておっきい胸にならなきゃですね」
「え!?」
「? みんな、どうしたですか?」
(オートマタも胸が育ったりするものなのでしょうか?)
(あのミネットならありえるかもよ?ご飯だって食べるんだしさ)
(しかし、元があの大きさですし、成長の余地はあるんですの?)
 ヒソヒソ話をする3人の前でミネットが、
「私、おっぱいおっきくなって、パパにいっぱい喜んでもらうですよ!!」
「!!!」
 爆弾発言をしていた。
「あ、アニーちゃん、ミネットちゃんにまた変なこと吹き込んだりしてませんよね?」
「カリーナさま、目が、目が怖いですよ。って、襟首を掴んで揺すらないでっ! 言ってません、言ってませんからっ!」
「…すみません、わたくしとした事が、つい取り乱してしまいましたの」
「えーと、では、レスターさんは胸の大きな女性が好み、という事なのでしょうか?」
「どうなんですか?カリーナさま」
「え? そ、その、わたくしにもよく分かりませんの…」
 二人に詰め寄られ、カリーナは慌てて答える。
「では、一体どこからそんな情報を?」
 今度は三人でミネットに注目する。
「えっと、その…リトスから、聞いたですよ。」
「リトスから…?」
「……呼びましたか?」
「うわあ!!」
 部屋の中に突然Oasisのライバルクランのトルティアカンパニーの社長、リトス・トルティアが現れた。
「みなさん随分と驚かれて、どうしたんですか?」
「なんでそう毎回毎回、絶妙のタイミングで現れるかなあ?」
「ちゃんと空気読んでるからね、私たちは!」
 リトスの後ろから双子の姉でトルティアカンパニーの副社長でもあるサルサ・トルティアがひょこっと顔を出す。
「へぇ〜…」
 サルサの台詞にリトスが冷たい声で答える。
「…すいません、空気読んでるのはリトスで、私はそれに従ってるだけです…」
「…よく出来ましたね、姉さん。アメちゃんあげますよ」
「わ〜い、アメちゃんもらった〜〜☆」
 なぜかアメ玉一つで大喜びするサルサ。
「…相変わらずだね、お二人さん」
「そんなことより、そんなことよりですわ。レスターが胸の大きい女性が好き、というのは本当ですの?リトス?」
「そうですね。姉さんと二人でいるとき、レスターさんの視線が私の胸元に注がれるのをひしひしと感じますが」
「…そうなの?リトス!!ひどいよ、そんな事私には一言も言ってくれなかったじゃん!!」
「姉さんにそんな事言うとクランの資金で豊胸アイテムを買い込みそうなので今まで言いませんでした」
「うっ…否定できない…」
「ちなみに姉さんのクランでの決裁権を今日付で一切なくしましたので」
「ひどいよ、リトス!」
「そういえば、サルサはカボチャが苦手でしたわよね?」
「そう、どうもカボチャの食感や甘さ加減がダメなんだよね〜」
「…私は普通に食べますよ」
「こんなにそっくりな双子でもカボチャが苦手じゃない方が胸が少し大きいんだね〜」
「では、カボチャにはやはり豊胸作用がある、という事でしょうか?」
「じゃあ、カボチャ料理をい〜っぱい食べるですぅ!」
「よぉし、今夜はハロウィン祭りだぁ! トリック・オア・トリート〜!」
「アニエス、なんですかそれ? なんだかとっても面白そうなのです!」
「私もよくは知らないんだけど、西方ではカボチャをくり抜いた被り物をして練り歩いて、町中のカボチャ料理をもらって食べ歩くというお祭りがあるらしいんだよ〜」
「それ、色々間違ってる気がするんですけど…」
 チェルシーがぽそりとツッコミを入れてみるも、
「わあい、ハロウィン祭りばんざ〜い、ですよ!」
「祭りだ祭りだ〜!」
「…全然聞いてませんね」
「でも、ちょっと面白そうですの」
 そこへクランOasisの管理人のニナ・リンドベルイが入ってきた。
「みなさん盛り上がっていますね。どうしたんですか?」
「あっ、ニナ! ハロウィン祭りです、カボチャばんざいです! トゥインクル・トゥインクルです!」
「違うよミネット、トゥインクル・トゥインクルじゃなくてトリック・オア・トリートだよ〜」 「え…と。何がどうなっているのでしょうか?」
「実は…かくかくしかじか…ですの」
 カリーナが要点だけをうまくまとめてニナに伝える。
「そうですか。ちょうど今年はカボチャが豊作で余っていてどうしようかと困っていた所です。やりましょう、そのハロウィン祭りというものを。腕によりをかけてカボチャ料理をたくさん作りますよ」
「……では、トルティアカンパニーも全面的にバックアップしましょう」
「リトス、なんでそういうことするかなあ?」
「姉さんの困った顔を堪能して楽しむためです」
「うわあ〜ん、リトスのばかぁ!」



……こうしてエルタリアにハロウィンという新たな(しかもアニエスによってかなり間違って伝承された)風習が生まれたという。
(なにこのオチ)




・後書き

Megworksの恵さんからのmixi5000ヒット記念リクエスト「ミネットSS」です。
…え、ミネットSSに見えない? すいません、書いてるうちにあらぬ方向に話が進んでいきました。
ハロウィン→ジャック・オ・ランタン→からくりサーカスで勝の使ってたマリオネット→オートマタという連想をしてみたけど連想しただけで特に意味はありません。
ともあれ、キャラソンのドラマとかTG体験版とかのおかげでキャライメージが固まってきました。
まだゲーム本体が発売されてない(これを公開したのは2008/11/1です)ので好き放題に設定を捏造しまくりですが。
ネタ的に10月中に上げたかったんですが、間に合いませんでしたが…まいっか。